本記事では、2026年1月の為替市況について解説いたします。
テクニカル分析も重要ですが、FXは外貨と外貨の両替による取引で損益が発生します。
そのため週間レポートは、通貨の売買を促すきっかけとなるファンダメンタルズ(経済/金融の流れ)中心の見解となります。
各週の相場状況・重要トピックスについて解説します。
2026年1月26日~30日

①(月)レンジ相場
- 日米協調介入への強い警戒感
- 大きくギャップ(窓)を開けてスタート
- 介入実績は特に見当たらず
②(月)ゴールド高
- 最高値更新(5000ドル)
- 米国の財政リスク
- 地政学リスク
- 世界的な信用不安
- 様々な要因が重なり
③(火)ドル安
- 財務相&トランプ大統領発言
- 片:日米財務相共同声明に沿って対応する
- 片:米国当局と緊密連携しながら適切な対応を取る
- 片:為替市場の動向についてはコメントを控える
- ト:ドルは好調だ
- ト:ドルが過度に下落したとは考えていない
- ト:ドル安を懸念していない
④(水)ドル高
- ベッセント氏発言
- (ドル円)絶対に介入していない
- (米ドルについて)米国は常に強いドル政策をとっている
- トランプ大統領の前日の発言を撤回
⑤(水)ドルイーブン
- FOMC
- 結果:据え置き(375bp)
- 結果に関しては無難な内容
- 雇用市場についても安定化への自信
- ややタカ派的な内容
- 結果・内容・会見共にほぼほぼ無風
⑥(木)ドル安
- 経済指標
- 新規失業保険申請件数:予想20.5万件 結果20.9万件
- 貿易収支:予想-405億 結果-568億
- 第3四半期非農業部門労働生産性:予想+4.9% 結果+4.9%
- 単位労働費用:予想-1.9% 結果-1.9%
⑦(木)ゴールド安
- 利確売り
- 心理的節目(5,000ドル以上)も影響
- 月末の要因もあっての利益確定
⑧(金)円安
- 東京物価指数(CPI)
- 予想を下回る弱い結果
- 円安の動き
⑨(金)ドル高
- 次期FRB議長指名
- ケビン・ウォーシュ氏が指名
- FRB議長候補者の中では「ややタカ派」
- 元FRB議長
- 2008年のリーマンショック時ウォール街と調整
- トランプ氏の低金利路線に同調
- 「安全な選択」と評価され「ドルの信任低下」の流れに歯止め
⑩(金)ドル高
- 米PPI(生産者物価指数)
- 米PPI前月比:予想+0.2% 結果+0.2%(前回+0.2%)
- 米PPI前年比:予想+2.8% 結果+3.0%(前回+3.0%)
- 米PPI前月比・コア:予想+0.2% 結果±0.0%(前回±0.0%)
- 米PPI前年比・コア:予想+2.9% 結果+3.0%(前回+3.0%)
- モノの価格は下がっているが、サービス業が上昇
先週の為替相場は、日米協調介入への強い警戒感から大きくギャップ(窓)を開けてスタートし、方向感が定まらない状況で取引を終えています。
ドル円の値幅2.79円(279pips)となり、現在は154円後半付近を推移しています。
では先週のおさらいになりますが、「日米協調介入への強い警戒感からのドル円の回帰」「次期FRB議長指名」についてまとめていきます。
日米協調介入への強い警戒感からのドル円の回帰
週明け早々、日米協調介入への強い警戒感から大きくギャップ(窓)を開けて始まりました。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-26/T9G73IT9NJLS00
片山財務相も以下で発言。
【片山財務相】
- (為替)日米財務相共同声明に沿って対応する
- (為替)米国当局と緊密連携しながら適切な対応を取る
- 為替市場の動向についてはコメントを控える
片山財務相は閣議後の会見で、足元の為替市場について具体的な介入の有無(やったかどうか)への言及は避けつつも、「為替相場については、米通貨当局と緊密に連携をとっている」 と強調しました。
これまで日本側が使う「連携」という言葉は、単なる「連絡を取り合っている(電話しただけ)」という意味で軽視されがちでした。
しかし、金曜日に「FRBのレートチェック(実力行使)」が観測された直後のこの発言は、「日米が合意の上でドル高是正に動いている(=協調介入の準備がある)」 という最強のメッセージとして市場に突き刺さりました。
マーケットの反応としては「もはや日本単独の介入ではない」と悟った投機筋が一斉にパニックになり、ドル買いポジションのアンワインド(解消・損切り)が殺到することになり、この流れが介入警戒感に繋がった印象です。
そして極め付けはトランプ大統領の発言になります。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-27/T9JJB5KJH6V400
【トランプ米大統領】
- 中国と日本は常に通貨安を望んでいた
- ドルは好調だ
- ドルが過度に下落したとは考えていない
- ドル安を懸念していない
トランプ大統領はインタビューで、足元の急激なドル安について問われ、「全く懸念していない」と明言しました。
「ドルが高すぎると、我々の素晴らしい製品(自動車や建設機械)を外国に売れない。製造業の雇用を守るためには、ドルはもっと安くていい」と主張。
金曜日の「米当局のレートチェック」や、片山財務相の「日米連携」が、トランプ氏の意向に沿ったものであることが裏付けられました。(強調介入の正当化)
この影響でドル円は一時152円まで下落。
しかし、翌日にベッセント財務長官が以下で発言。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-28/T9KYE0KIJH8P00
【ベッセント財務長官】
- (ドル円)絶対に介入していない
- (米ドルについて)米国は常に強いドル政策をとっている
- (米ドルについて)強いドルは適切なファンダメンタルズを構築することを意味
- (米ドルについて)健全な政策があれば資金は自ずと流入してくる
- 金利判断はFRB次第
- (FRBについて)彼らが柔軟な思考を持つことを期待
- 火曜日にトランプ大統領とFRB議長について協議
- ミランFRB理事の任期は継続される可能性
ドル円に関して、「絶対に介入していない」と円買い介入観測を否定するような発言をしております。
この発言が入り、ドル円に関しては1円(100pips)ほど急上昇することになります。
そして「米国経済の強さを反映した『強いドル』は国益である」と明言しました。
前日にトランプ大統領が「ドル安でもいい」という発言を残し、再びドル売りが加速することがありましたが、実務トップが火消しした内容となりました。
ベッセント氏の「協調介入」っぽい雰囲気を出した狙いとしては、「日本の金利」を落ち着かせようとして、色々な発言を繰り広げていましたが(日本の金利が上がりすぎている状況で、米金利や世界の金利も連れ高になるため)、ドル安になるのは国益の問題になるので、トランプ氏の発言を撤回した内容を発言したということになります。
上記で木曜日の相場は落ち着きを取り戻しており、金曜日に注目されていた「外国為替平衡操作の実施状況(1月分)」の結果で、さらに円安に進むことになりました。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-30/T9M68YT9NJLT00
財務省が発表した「外国為替平衡操作の実施状況(1月分)」によると、介入額は「0円」でした。
今回は実弾による為替介入は行っておらず、前日のベッセント氏の発言内容も含め円安方向に進むことになりました。
レートチェックによる脅しと、米国の協調介入が入っている可能性(トランプ氏も要因)が影響して、今回は大幅な円高になったわけですが、ベッセント氏のトランプ氏の発言を否定する内容と、金曜日の出来事でドル円は154円後半に回帰している状態です。
次期FRB議長指名

https://jp.reuters.com/markets/japan/45LXHPALW5OHREW7BLG5FOTTOY-2026-01-30/
【トランプ大統領】
- ウォーシュ元FRB理事を次期FRB議長に指名する
- ハセットNEC委員長は優れた業績を残しており、現職に留まってほしい
- おそらくウォーシュ氏とは、利下げについて話し合うことになるだろう
- ウォーシュ氏に利下げについて直接求めるのは不適切
- ウォーシュ氏の承認を心配していない
- ベネズエラよりも大きな艦隊がイランに向かっている
- イランは間違いなく取引を望んでいる
トランプ大統領は、パウエル現議長の後任として、元FRB理事のケビン・ウォーシュ(Kevin Warsh)氏を指名する意向を表明しました。
ウォーシュ氏について「彼はハンサムで頭が良い」と称賛した上で、最も重要な点として「彼が利下げに前向きであると確信している」と明言しました。
ウォーシュ氏は本来、財政規律を重んじる「タカ派」として知られていますが、トランプ政権入りにあたり、大統領の意向(低金利・ドル安)に沿う姿勢(変節)を見せた可能性があります。
もし順調に進めば5月に新議長となり、議長としての初FOMCは6/16-17になります。
【ケビン・ウォーシュ氏の人物像】
- 元FRB理事(2006-2011年)
- 史上最年少(35歳)での就任
- 2008年のリーマンショック時、ウォール街と調整
- FRB議長候補者の中では「ややタカ派」
- トランプ氏の低金利路線に同調
- 危機時の資産購入は肯定
- 平時はバランスシートを縮小すべきとの主張
マーケットも「極端な利下げ論者」ではないとみられ、FRB理事経験もあり、「安全な選択」との評価が多ようです。
それもあってか最近の「ドルの信任低下」の流れに歯止めとなりドル円は上昇の流れ(ドルの買い戻し)となりました。
2026年1月19日~23日

①(月)イーブン
- 高市首相発言
- 1月23日に衆院を解散する
- 2月8日に投開票を行う
- 「過半数維持」 を勝敗ライン
- 割り込んだ場合は「責任を取る(退陣する)」
- 財政悪化懸念
②(火)日本トリプル安
- 財政悪化懸念
- 40年債が4%台に突入
- 世界金利高を牽引
- ベッセント財務長官がお怒りムード
③(火)米国トリプル安
- グリーンランド問題
- 欧州側が保有米国資産を「武器」に
- 8兆ドル(米国債と株の合計)を保有を売却検討
- デンマーク職域年金基金が米国債投資から月内に撤退
- 金に資産がシフトし最高値更新
④(水)米国トリプル高
- TACO
- 欧州8カ国への2月1日からの追加関税も見送り
- 軍事力の行使は全く考えていない
- 株価が上昇
⑤(木)豪ドル高
- 経済指標
- 失業率:予想4.3% 結果4.1%(前回4.3%)
- 雇用者数:予想+2.70万人 結果+6.52万人(前回-2.87万人)
- 若年層の雇用が大幅に増加
- 2月の理事会でRBAが利下げをしにくい状況
⑥(木)ドル安
- 米経済指標
- 新規失業保険申請件数:予想21.0万件 結果20.0万件(前回19.9万件)
- 第3四半期GDP:予想+4.3% 結果+4.4%(前回+4.3%)
- 個人消費:予想+3.5% 結果+3.5%(前回+3.5%)
- PCE前月比:予想+2.8% 結果+2.8%(前回–%)
- PCE前年比:予想+0.2% 結果+0.2%(前回–%)
- PCE前年比・コア:予想+2.8% 結果+2.8%(前回–%)
- 全体的にある程度は予想通り
- トランプ大統領の動きによって「米国離れ」が進みつつある状況
⑦(金)円安
- 日銀会合
- 結果:据え置き
- 追加利上げは遠い(円安要因)
- 輸入物価の上昇(円安)が物価に与える影響を注視する
- 急激な金利変動は好ましくない
- 必要であれば「臨時の国債買い入れオペ」を機動的に実施
- ほぼ動かない中の円安
⑧(金)円高
- レートチェック?
- ドル円が瞬間的に159.200から157.317へ急落
- レートチェックが入ったか?の報道
- 片山財務相は「答えられない」
- 片山財務相は「常に緊張感を持って見守っている」
⑨(金)円高
- NY連銀のレートチェック?
- 日米協調レートチェック?
- 単独介入にはならないことを示唆
- 日米協調介入の思惑
- ドル円は155.700円台まで下落
先週の為替相場は、グリーンランドを巡る米欧の問題がダボス会議にて、トランプ大統領のTACOが発生。
瞬間的に日米が「トリプル安」になる瞬間もあり、ドル円に関しては引っ張り合いのレンジ相場になっていましたが、金曜日の「日米協調介入の思惑」で、一気に155円台までブレイクしました。
ドル円の値幅3.876円(387pips)となり、現在は155円後半付近を推移しています。
では先週のおさらいになりますが、「金曜日の円高の流れ」についてまとめていきます。
金曜日の円高の流れ
先週金曜日は日銀会合がありました。
こちらは事前に据え置き予想だったこともあり、発表後はそこまで相場に影響するような動きはありませんでした。
そして植田日銀総裁の発言が控えていましたが、以下の発言。

https://www.bloomberg.com/jp/news/live-blog/2026-01-23/T9AOXMKGCTFW00
【植田日銀総裁】
- 日本経済は緩やかな成長を続ける見込み
- 政府の経済対策が経済見通しを押し上げた
- 基調的なインフレは緩やかに上昇を続ける見込み
- 現在の実質金利は極めて低い水準にある
- 見通し実現なら政策金利を引き上げ、金融緩和度合を調整
- 経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営
- 利上げ後も金融環境は緩和した状況が維持されていると認識
- 利上げペースは経済状況次第
- 円安水準について具体的コメントすることは控える
- 為替は様々な要因の影響を受ける
- 長期金利、政府と緊密に連携ししっかり見ていく
- 長期金利上昇、例外的な状況では機動的なオペを実施
- 物価、見通し大幅に超えてどんどん上がっていく状況ではない
- 財政健全化について市場の信認確保は重要
- 消費減税は財政政策、政府・国会で決めること
- 財政健全化について市場の信認確保は重要
- 消費減税は財政政策、政府・国会で決めること
インフレについて:は「輸入物価の上昇(円安)が物価に与える影響を注視し、金利急騰には「買いオペ」で対抗する緩和策を提示するも、次の利上げペースは経済状況次第と深くは言及せずでした。
上記の状況から、発言後には円安方向に舵を切る形になり、159円台前半に突入しました。
しかし終了してからすぐに「レートチェック(確定ではない)が入ったのでは?」という動きが入り、ドル円は瞬間的に157円前半まで急落することになりました。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-23/T9B4UVKK3NYA00
【片山財務相】
- (為替で)常に緊張感を持って見守っている
- レートチェックの有無は答えず
【三村財務官】
- (為替介入かとの質問に)答えるつもりはない
言う義務も特にないので、「レートチェックなのか?財務省の覆面介入?」なのかはわかりません。
ただし日本の選挙が始まる前に「高市氏」が注目され始めると、再度積極財政のドル円上昇が目に見えていることもあったので、事前に手を打っておきたかったからかもしれません。
そして一旦欧州時間は落ち着いたものの、ドル円はNY時間のロンドンフィキシングから「日米協調介入の思惑」で大きく下落する流れとなりました。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-23/T9B50FKK3NY900
NY連銀が主要銀行に対しドル円のレートチェック(介入の前段階とされる価格確認)を実施したと報じられました。
これらを受け、ドル円は158.300円付近から一気に155.700円台まで約2.7円程の急落を見せました。
これはあくまで「思惑」になりますので確定ではありませんが、週明けの動向や発言系で確認することになりそうです。
日本だけのレートチェックぐらいですと金曜日の夕方に発動したぐらいの値動きになりますが、なぜ「日米協調」になるとここまで下落するのかというと、「米国も現在の円安・ドル高を懸念している」という強力なメッセージになると言うことです。
マーケットは「バックにアメリカがついている」と認識するため、これまでの「円を売っていれば儲かる」という安心感が崩れ、円売りを仕掛けにくくなると言うことです。(両国が円安を嫌っている構図になるため)
「日米協調レートチェック」という新手の牽制により、160円を目指していた円安トレンドは完全に足止めされました。
今後、155円を割り込むような動きになるのか、あるいは実弾介入が発動されるのか、極めて緊張感の高い局面が続きます。
2026年1月12日~16日
①(月)レンジ相場
- パウエル議長の捜査開始&擁護
- ドルの信頼性が低下
- ドル円は一時157.570円
- パウエル氏は断固拒否の姿勢
- 共和党内・元議長・べっセント氏からも否定
- NY時間からドルの買い戻しが入る
②(火)円安
- 高市トレード再燃
- 衆議院解散期待からの円安
- 本日(14日)午後にも与党幹部に伝達する予定
- 織り込み済みか?
③(火)ドル安→ドル高
- 米CPI(消費者物価指数)
- マーケットの予想通り
- 食品価格が過去3年超で最大の上昇幅
- インフレが根強い
- 安易にFRBは「利下げ」ができないのでは?
④(火)株安
- イラン情勢悪化
- 食料やガソリン価格が高騰
- 国内で大規模デモ
- 米国が軍事介入か?
⑤(水)円高
- 財務相&新党発足要因
- 円安、あらゆる手段を排除せず適切に対応
- 為替介入警戒
- 公明党と立憲民主党が新党結成視野
- 衆議院総選挙に向けて(高市氏に対抗)
⑥(水)ドル安
- べッセント氏発言
- 為替市場の過度な変動は望ましくない
- 韓国ウォン安はファンダメンタルズと一致していない
- 前日の日本とのやり取りでマーケットが警戒
- 協調介入もあるか?
⑦(木)ポンド高
- 経済指標
- 英GDP:予想+0.1% 結果+0.3%(前回-0.1%)
- 予想を上回る好結果
- 景気後退(リセッション)を回避
- BOEが早期に利下げへ転じる必要性が薄れる
⑧(木)ドルレンジ
- イラン衝突回避?
- トランプ氏のパウエル解任否定
- トランプ氏のイラン攻撃回避示唆
- リスクオン相場の動き
- インフレにならないからパウエル氏の件を引っ込める
⑨(金)円高
- 片山財務相
- 足もとの円安動向について憂慮している
- あらゆる手段を含めて断固たる措置を取ること
- 日米財務相の合意の中には為替介入が含まれている
先週の為替相場は、日本の政局による動きが多かった印象で、ドル円は往ってこい相場の動きとなりました。
ドル円の値幅1.938円(193pips)となり、現在は158円前半付近を推移しています。
では先週のおさらいになりますが、「日本の政局」「パウエル議長のFRB追放工作?」についてまとめていきます。
日本の政局
先週末に「高市首相の解散・総選挙報道」が飛び出し、その報道が事実化した一週間となりました。
週前半は高市トレードで円安方向に動きますが、「為替介入懸念」「公明党と立憲民主党が新党結成」の件で円高方向に動いたと言う流れになります。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-15/T8UJ9BT9NJLT00
高市首相は、衆議院を解散する意向を固めました。
スケジュール的には「1月下旬公示、2月8日投開票」の日程が有力視されていますが、19日に発表予定になっています。
狙いとしては、政権発足後の高い支持率を背景に、自身の看板政策である「積極財政(サナエノミクス)」や「危機管理対応」について国民の信を問い、長期政権への基盤を確立する狙いがあります。
この影響で、「高市トレード(株高・金利上昇・円安)」を事実として確定させるものであり、為替市場では「円安トレンド」が継続という流れになっています。
そしてドル円は現在159円台を維持し、160円を目指している状況でしたが、翌日(水曜日)に片山財務相からの発言で、ドル円は下落する流れとなります。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-14/T8UESZKJH6V700
【片山財務相】
- 急激な円安動向、きわめて遺憾で憂慮している
- 円安、あらゆる手段を排除せず適切に対応
- 9日のような急激な動き、ファンダメンタルズ反映していない
【三村財務官】
- 為替、足もとで一方的かつ急激な動きも見られ極めて憂慮している」
- 「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せず適切な対応を取る
片山財務相と三村財務官が円安牽制発言をしました。
片山氏は足元の為替市場で進む急速な円安について、「投機的な動きが見られ、極めて遺憾だ」と強い言葉で懸念を表明し、「あらゆる手段を排除せず、適切に対応する」と述べ、為替介入(実弾介入)も辞さない姿勢を示唆しました。
介入レベル的には以下の段階に突入している状態なので、このまま投機的な動きが見られたら、「レートチェック」が入る段階まで来ています。

そして続いて以下の報道が流れ、一気に日経平均株価とドル円は下落することになります。

https://www.asahi.com/articles/photo/AS20260114004015.html?iref=pc_photo_gallery_1
日本の政治構造を根底から覆す超ド級のサプライズニュースを朝日新聞が報道しました。
「高市首相の解散意向」に対し、野党第一党と手を組むという「政界の地殻変動」が起きています。
公明党と立憲民主党が新党結成視野に協議、選挙協力も深化へということで報道があり、日経平均株価とドル円に関しては水曜日に「高市トレードの巻き戻し」が瞬間的に起きました。
このまま木曜日に合意の流れになり、金曜日に新党の党名を「中道改革連合」として立ち上がります。

https://www.asahi.com/articles/photo/AS20260116001933.html
パウエル議長のFRB追放工作?

https://jp.reuters.com/markets/japan/6DLDVO2QBFNZBLXRPI37Z43ZEM-2026-01-12/
米連邦検察当局が、パウエルFRB議長を捜査対象としていることが明らかになりました。
FRB本部ビルの改修工事に関連し、予算の不正使用や不透明な契約がなかったかを調べています。
ただし、真の背景は「トランプ政権によるパウエル議長のFRB追放工作」と見ています。
トランプ氏は自身の意のままになる(利下げをしてくれる)議長を望んでおり、法的手段を使ってパウエル氏を辞任に追い込む狙いがあると推測されます。
昨年もこの話題が出てきていましたが、再びこの内容が出ているのは、現在のイラン情勢に対しての地政学リスク(ホルムズ海峡封鎖話など)の影響で「インフレが再燃」する可能性が出てきていることから、トランプ氏が再度動き出したのでは?と考察されています。
この影響で、為替に関しては「ドルの番人」の信用が失墜する緊急事態ということで、ドルの信頼性が低下したことによる「ドル売り」の動きとなりました。
しかし、木曜日にはイランが反政府デモ参加者の処刑はしないと約束し、同国への攻撃をトランプ大統領が見送る可能性を示唆したことを受け、以下の発言になったものと思われます。

http://bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-15/T8WZ5WT96OSJ00
【トランプ大統領】
- 次期米連邦準備理事会(FRB)議長候補としてハセット氏とウォーシュ氏を高く評価
- パウエルFRB議長への司法省調査に対する共和党議員の批判を否定
- ウクライナ巡る交渉の膠着はゼレンスキー氏の責任であり、プーチン氏は合意の用意ある
- イラン政府は崩壊する可能性、どんな政権にも崩壊の可能性はある
- パウエルFRB議長を解任する計画はない
- 数週間以内にFRB議長人事で何らかの発表を行う
以下2つの「トランプ発言」によって、市場を覆っていた暗雲が一気に晴れました。
- トランプ氏のパウエル解任否定(FRB安心感)
- トランプ氏のイラン攻撃回避示唆(中東安心感)
為替市場では「リスクオンの円売り(ドル円上昇)」が加速する結果となりました。
2026年1月12日~16日

2026年1月5日~9日

①(月)ドル安
- 経済指標&カシュカリ氏発言
- ISM製造業景況指数:予想48.3 結果47.9(前回48.2)
- 現在の政策金利は中立金利に近いと推測
- 失業率が急速に悪化するリスクが高まっている
- ドル円一時156円手前
②(火)日経平均安
- 中国商務省
- 軍民両用製品(レアアース等を含む可能性)」の輸出を全面禁止
- 日本に対する報復措置
- ドル円下落
③(火)ユーロ安
- 独消費者物価指数
- 前月比:予想+0.3% 結果±0.0%(前回-0.2%)
- 前年比:予想+2.1% 結果+2.0%(前回+2.3%)
- ECBが目標とする「2%」のインフレ率に到達
- 「利上げ」ができなくなったことが要因
④(水)ドル安
- 経済指標
- ADP:予想+5.0万人 結果+4.1万人(前回-3.2万人→-2.9万人)
- JOLTS:予想7600千件 結果7146千件(前回7670千件→7449千件)
- 予想を下回り金利低下でドル安
⑤(水)ドル高
- 経済指標
- ISM非製造業景況指数:予想52.2 結果54.4(前回-52.6)
- 年末商戦を含む需要が堅調
- 雇用指数が持ち直したこと
- 上記の安心感がつながりドル高へ
⑥(木)ドル高
- 経済指標
- 新規失業保険申請件数:予想21.2万件 結果20.8万件
- 労働生産性:予想+5.0%結果+4.9%
- 単位労働費用:予想±0.0% 結果-1.9%
- GDP予測(GDPNow)は5.4%に急上昇
⑦(木)ドル安
- ベッセント財務長官
- FRB議長人事、トランプはダボス会議(1/19~1/23)前後に決定も
- 現在の金利水準は中立金利を依然として大きく上回っている
- 多くのモデルが示唆する米政策金利は2.50-3.25%程度
- FRBは行動を遅らせるべきではない
- 市場は身構える形となる
⑧(金)イーブン
- 経済指標
- 雇用者数:予想+7.0万人 結果+5.0万人(前回+6.4万人→+5.6万人)
- 失業率:予想4.5% 結果4.4%(前回4.6%→4.5%)
- 平均時給(前月比):予想+0.3% 結果+0.3%(前回+0.1%→+0.2%)
- 平均時給(前年比):予想+3.6% 結果+3.8%(前回+3.5%→+3.6%)
- ドル円の反応は乱高下
⑨(金)円安
- 高市政権の解散総選挙報道
- 衆議院の解散・総選挙に踏み切る検討
- 日経平均先物は急伸
- 積極財政(お金を配る)
- 選挙に勝つことでより強力に推進する期待
- ドル円158円台に突入
先週の為替相場は、地政学リスクの高まり、重要な経済指標もありましたが、金曜日に大きく動いたのは「高市首相が衆議院の解散・総選挙に踏み切る検討」報道です。
ドル円の値幅2.07円(207pips)となり、現在は158円付近を推移しています。
では先週のおさらいになりますが、「ベネズエラ情勢」「米雇用統計」「高市首相が衆議院の解散・総選挙」についてまとめていきます。
ベネズエラ情勢

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-04/T8B0QXKJH6V400
ベネズエラの首都カラカスで3日未明に複数の爆発があり、米国のトランプ政権が地上攻撃を命じたと報じられました。
そして、ニコラス・マドゥロ大統領の拘束を完了して、米国へ移送されることになりました。
<攻撃した表向きの理由>
- 対テロ・対麻薬対策
- 海上輸送を通じて米国へ流入する97%の薬物がベネズエラから持ち込まれていた
<攻撃した真の目的>
- 対中国の資源戦争
- ベネズエラは世界一の埋蔵量を誇る原油や、金・銀などの資源を豊富に持つが、マドゥロ政権下で中国・ロシアへの依存を強めていた
上記の理由があるとされています。

ということで、中国に関しては声明を出しており、4日米国に対してベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を即時解放するよう求めました。
今回の攻撃を「国際法の明確な違反」と非難しておりますが、この解放を望んでいる理由は、ベネズエラ原油開発に莫大な投資をしているからになります。
融資額は15兆円(1000億ドル)と言われており、マドゥロ政権崩壊で回収不能の危機に晒されていること、そして石油の利権を米国に奪われかねない状況ということです。

https://jp.reuters.com/markets/japan/V34VJSXTBNLHXHKNIADGMQPRUY-2026-01-03/
これに対して、米国はあくまで「対麻薬対策」としていますが、トランプ大統領は「安全な移行まで、米国がベネズエラを統治する」「米国の巨大石油会社を送り込み、数十億ドルを投じてインフラを直す」など、本音を漏らしている状況です。

https://www.sankei.com/article/20260105-QIKIHKH5UVO2NJZP7HQWRGTDME/
ニコラス・マドゥロ大統領の独裁国家だっただけに、独裁国家から本当の民主主義国家になれる可能性があるということで、「トランプを支持」している状況ということになります。
ただし、ベネズエラに住んでいる国民にとっては今後の不安と期待が入り混じっている状態という報道もあります。
誰がなってもいいが、「早く情勢落ち着いて」というのが真意で、 米の強硬策に心境複雑 といった内容も報道に上がっています。
上記のような動きが出て、株価や為替にどのような影響が出たのかになりますが、瞬間的にはリスクオフの動きになりましたが、動きは限定的で、ドル円に関しては重要なレジスタンスを抜けて上昇トレンドを維持している状況。
リスクオフのドル買いとも言われていますが、おそらく株価も落ち着いていることから、ベネズエラ情勢の影響は軽微と判断していいかもしれません。
ちなみに世論調査に関してはCNNの以下の記事が参考になります。
https://www.cnn.co.jp/usa/35242477.html
米雇用統計

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-01-04/T8B0QXKJH6V400
【米雇用統計】
- 雇用者数:予想+7.0万人 結果+5.0万人(前回+6.4万人→+5.6万人)
- 失業率:予想4.5% 結果4.4%(前回4.6%→4.5%)
- 平均時給(前月比):予想+0.3% 結果+0.3%(前回+0.1%→+0.2%)
- 平均時給(前年比):予想+3.6% 結果+3.8%(前回+3.5%→+3.6%)
結果は雇用者数に関して予想を下回る弱い数字となりました。
先週水曜日のADPに近い低い数字で、企業の採用意欲が明確に冷え込んでいることを示しました。
しかし、雇用者数が少ないにもかかわらず、失業率が下がった(良くなった)のは意外な結果です。
労働参加率の低下などが影響した可能性がありますが、統計上は「完全な雇用崩壊ではない」という安心材料になります。
結果の「ねじれ(雇用者数は悪い、失業率は良い)」に反応して激しく乱高下しましたが、最終的には「雇用の伸び悩み」という事実が重く受け止められ、ドルが売られる展開となり、ドル円は下落することになります。
この雇用統計の結果により、FRBが「利下げ」に向かう正当性が強まり、基本的にはドルが上がりにくい(戻り売りされやすい)トレンドが継続することになります。
高市首相の解散・総選挙報道

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260109-GYT1T00321/
雇用統計の発表終了後、しばらくしてから日本の政局に関する報道で、日経平均株価とドル円が急騰しました。
報道内容としては、高市首相が、近く衆議院の解散・総選挙に踏み切る検討に入ったと読売新聞社から報じられました。
現在、まだ確定されたものではないですが、もしこの報道が本当なら、「解散総選挙で政権基盤を強化し積極財政になっていくのでは?」という思惑で、日経平均株価は急騰することになり、53000円後半台まで突入、そしてドル円に関しても158円台に上昇することになりました。
背景としては、政権発足後の支持率が安定している(または、政策実行のための信任を問う)タイミングで選挙を行い、長期政権への足場を固める狙いがあると見られます。

通常、「政治の不透明感(解散)」は嫌気されることもありますが、今回は「高市トレード」と呼ばれる特有のロジックが働き、「株高・円安」が同時進行したという認識で、背景としては以下3つの要因になります。
「積極財政・金融緩和」の継続期待
解散報道 = 高市氏が勝とうとしている = 「財政出動(景気対策)」と「緩和維持」が続くという連想が働きました。
マーケットは「お金がばら撒かれること」を好むため、これを好感して株が買われる。
日銀への政治的圧力(円安要因)
日銀は「徐々に利上げ(正常化)」を模索していますが、高市政権が強くなれば、政治的な圧力で利上げが封印される可能性が高まります。
それにより、「日本の金利は上がらない」 ⇔ 「米国の金利はまだ高い」 この金利差が縮まらないことが意識され、円が売られました(ドル円上昇)。
円安による輸出関連株の押し上げ
上記理由で「円安」が進んだことにより、日本の主力産業である自動車や電機メーカー(輸出企業)の業績が良くなるとの期待が高まります。
円安進行 ➡ 日経平均(輸出株中心)の上昇という、日本株特有の「円安株高」の相関関係が綺麗に発動しました。
まだ確定ではなく、マーケットの思惑な動きになりますので、そこだけは把握してきましょう。
