本記事では、2026年3月の為替市況について解説いたします。
テクニカル分析も重要ですが、FXは外貨と外貨の両替による取引で損益が発生します。
そのため週間レポートは、通貨の売買を促すきっかけとなるファンダメンタルズ(経済/金融の流れ)中心の見解となります。
各週の相場状況・重要トピックスについて解説します。
2026年3月2日~6日

①(月)ドル高
- 有事のドル高
- 米・イスラエルVSイランとの戦争
- ホルムズ海峡封鎖からのインフレ加速警戒
- FRB利下げできないのでは?
- ドル買い
②(月)ドル買い
- ISM製造業景況指数
- 予想51.7 結果52.4(前回+52.6)
- 強い経済指標によりドル買いが先行
③(火)株安
- トランプ大統領
- イラン戦争の出口戦略について懸念
- 長期化になる可能性も考えて利確売り
- 朝:米海軍は必要であればホルムズ海峡でタンカーを護衛
- ホルムズ海峡封鎖問題を乗り切れるか?
④(水)ドル安
- イラン戦争終結に向けた交渉
- 戦争終結のデマ情報か?
- 有事のドル買いの巻き戻し
⑤(水)ドル高
- 経済指標
- ADP:予想+5.0万人 結果+6.3万人
- ISMサービス:予想53.5 結果56.1(前回53.8)
- 反応はドル高だが、限定的
⑥(木)ドル高
- クウェート沖でのタンカー爆発報道
- WTI原油先物価格一時82ドル台
- 有事のドル買いが発生
- イラン戦争長期化懸念で株安
⑦(金)ドル安
- 経済指標(雇用統計)
- 雇用者数:予想+5.5万人 結果-9.2万人(前回+13.0万人)
- 失業率:予想4.3% 結果+4.4%(前回4.3%)
- 平均時給(前月比):予想+0.3% 結果+0.4%(前回+0.4%)
- 平均時給(前年比):予想+3.7% 結果+3.8%(前回+3.7%)
- 瞬間的に下落
⑧(金)原油高
- 90ドル台突破
- 有事でのリスクオフの影響
- 世界的に原油高問題が発生
- ト:イランに『無条件降伏』を要求
先週の為替相場は、週末からイラン戦争が勃発し、ヘッドラインにふらされる一週間となりました。
ドル円の値幅1.96円(196pips)となり、現在は157円後半付近を推移しています。
では先週のおさらいになりますが、「イラン戦争勃発」についてまとめていきます。
イラン戦争勃発

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-01/TB6O90KIP3I900
先週末に米国とイスラエルは、イランに対して大規模なミサイル攻撃を開始しました。
トランプ米大統領は全ての目標達成までイランへの攻撃を継続すると表明。
この影響で、イランの最高指導者ハメネイ師が死亡することになります。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-02-28/SY1CXIDWLU6800
そしてイランは対抗措置として、イスラエルに加え、中東各地の米軍基地などに報復攻撃を実施することになります。
この攻撃で湾岸地域の一部空港も被災します。
現在注目を集めているのは「ホルムズ海峡封鎖」の件になります。

https://news.yahoo.co.jp/articles/be8fefa8b824e5cea33cef5d315e1b6606f00bab
歴史上「ホルムズ海峡封鎖」は初めてのことで、注目を浴びる理由は以下になります。
- 世界最大の「石油のチョークポイント(交通の難所)」
- 液化天然ガス(LNG)の極めて重要な輸送ルート
- アジア経済(特に日本)への影響が大きい(石油)
- 迂回する代替ルートが乏しい
- エネルギー価格の暴騰を引き起こすリスク
- 世界的なサプライチェーンの分断
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-02-20/TAQY39KK3NY900
イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」幹部は、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖したと主張。
同幹部は、海峡を通過しようとする船舶を「焼き払う」と発言。
革命防衛隊が攻撃を明言したことで不確実性がさらに高まり、資源価格の高騰につながる恐れがあります。
日本のガソリン価格や電気代の上昇に加え、原油供給への直接的な影響も生じかねないと言われています。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/75f3fe02db757fa5e61fe8e8063c5df19d4ec9ef
ここで、日本政府から石油備蓄が「254日分ある」と発表がありました。
ただし、LNG(液化天然ガス)の備蓄に関しては、わずか3週間分になりますので、こちらの方が危険な状態であると言うことがわかります。
このような状況が火曜日まで続いていましたが、水曜日からはトランプ大統領が「米海軍は必要であればホルムズ海峡でタンカーを護衛する」などと発言しており、安心感につながって株価も下げ幅を縮めることになり、有事のドル買いの巻き戻しが入ります。
そして木曜日には、欧州時間終了間際に「イラン側が戦争終結に向けた交渉」というNYタイムズの報道が流れ一気に相場が動き出します。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-04/TBDR4NKK3NY800
イラン情報省の工作員が第三国の情報機関を通じて米中央情報局(CIA)に接触し、戦争終結の条件を協議することを提案してきたとNYタイムズが報道しました。
ただし、イランの準国営タスニム通信はこれを否定しており、信憑性はありません。
この影響で一時的に「有事のドル買いの巻き戻し」が更に入ることになり、水曜日には一時的に156.800付近まで下落することになりました。
しかし、木曜日には以下の報道が入り、再び「有事のドル買い」が入ることになりました。
クウェート沖でのタンカー爆発報道が入ります。

https://jp.reuters.com/markets/commodities/OGQPUYTSW5OQPGCOG57PISIZ4I-2026-03-05/
イラン側からの攻撃が、ペルシャ湾の第三国へ飛び火している状態ですが、ペルシャ湾岸でのタンカー攻撃の急増に加え、アゼルバイジャンやオマーン、UAE(アラブ首長国連邦)などの周辺国・産油国に対しても、無人機(ドローン)による攻撃が相次いで発生しています。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR05BQ90V00C26A3000000/
この報道を受けてWTI原油先物価格が77ドル台後半まで一段と上昇すると共に、再度「有事のドル買い」が意識されます。
現在の状況をまとめると、イランが米国の石油タンカーを攻撃の報道が入り、原油が連日上昇し、ホルムズ海峡封鎖も続いて、週末へ向け地政学リスク増大の状況ということです。
上記の影響でインフレ懸念で金利上昇、ドル高・株安の地合いが続いているということです。
そして金曜日には、トランプ大統領がイランに対して『無条件降伏』を要求しました。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-06/TBHDCNT96OSL00?srnd=jp-homepage
金曜日の時点で、イラン戦争7日目に突入しましたが、トランプ大統領は自身のSNSで、「イランとの合意は無条件降伏以外にあり得ない」と強い言葉で宣言し、当面は停戦協議に応じない姿勢を明確にしました。
イランの軍事力を完全に破壊するまで戦闘を継続する可能性に言及しており、作戦の目標達成には4〜6週間かかるとの見通しも示しています。
この影響で、原油が90ドル台を突破してきていることが影響し、ますます物価高が心配される状況になってきています。
https://jp.reuters.com/markets/japan/R3EGWXVW65O4ZKLYT5OODWTMNM-2026-03-06/
原油価格が90ドル台に乗り、「100ドル超え」や物理的な供給停止リスクが現実味を帯びていますが、株式市場のボラティリティが高まっており、引き続き中東情勢に関するニュース(ヘッドラインリスク)にも引き続き厳重な警戒が必要です。
