含み損割合が多い通貨ペアの状況と見解について解説致します。
- 対象ペア:EURGBP
- エントリー開始日:2024年8月14日
- 開始レート:0.8587
- ポジション:買いを保有
- 複数ポジション構築
- 含み損:2.0~2.5%推移
- ±0レート付近:0.8407
※相場が逆行した場合は、さらに含み損率が大きくなります。
*含み損を保有中でも『出金申請』の操作は可能です。(含み損の決済は必要となります。)
EUR/GBPの今後を分析|2024/9/28時点
*2023年11月~日足
EUR(ユーロ)が売られ、GBP(ポンド)が買われている要因について、以下の観点から解説していきます。
- ファンダメンタルズ分析(中期目線)
- テクニカル分析(短期目線)
ご不明な点が御座いましたら、公式LINE経由でご質問をくださいませ。
*為替相場のため、100%この通りになるという事では有りませんので、ご理解・ご認識頂いた上で現状報告を致します。
ファンダメンタルズ分析
欧州と英国の政策金利発表・今後の会合スケジュールです。
英国は高金利を維持しており、ポンドが買われやすい局面です。
そして「ユーロポンドが下落」している主な要因は以下です。
- 欧州経済が弱い
- BOEとECB|金融政策スタンスの違い
欧州経済が弱い状況
2024年9月24日発表の【製造業・非製造業PMI】で、欧州経済がかなり弱い状況ということがわかりました。
製造業PMI(Purchasing Managers’ Index)および非製造業PMIは、経済活動を測るための指標で、企業の購買担当者を対象にしたアンケート調査に基づいています。PMIは経済の先行指標として、景気の拡大や縮小を予測するのに役立ちます。
*製造業PMI
製造業の企業の購買担当者へのアンケートを基に算出される指標です。
具体的には、新規受注、生産、雇用、納期、仕入れ価格などの項目について調査され、結果をもとに指数が算出されます。
50を基準として、50を上回ると景気の拡大、下回ると景気の縮小を示します。
製造業は一般的に景気の変動に敏感であるため、製造業PMIは特に経済活動の動向を予測するために重要とされています。
*非製造業PMI
サービス業や建設業など製造業以外の分野の購買担当者へのアンケート調査に基づく指標です。
製造業PMIと同様に、50を基準に景気拡大(50超)や縮小(50未満)を示します。
非製造業PMIは、サービス業など経済の広範な分野をカバーしているため、経済全体の動向を知るためのもう一つの重要な指標です。
*PMIの重要性
PMIは、他の経済指標と比較してリアルタイムに近い形で経済活動の状況を把握できるため、景気の動向を予測するために投資家や政府、企業が活用しています。
PMIが50を下回る場合、景気後退の可能性があり、逆に50を上回る場合は景気回復が期待されます。
特にフランス・ドイツ経済が悪化している事がユーロが弱い要因です。
【仏製造業・非製造業PMI】
- 製造業:予想44.3 結果44.0(前回43.9)
- 非製造業:予想52.5 結果48.3(前回55.0)
【独製造業・非製造業PMI】
- 製造業:予想42.3 結果40.3(前回42.4)
- 非製造業:予想51.0 結果50.6(前回51.2)
ユーロ圏経済は「停滞に向かっている」、民間部門は9月に縮小
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-09-23/SK9AEPDWRGG000?srnd=cojp-v2
英国のPMIは、欧州と同日発表ですが以下になります。
【英製造業・非製造業PMI】
- 製造業:予想52.5 結果51.5(前回52.5)
- 非製造業:予想53.5 結果52.8(前回53.7)
しかし英国経済は強い状況だったことで、ポンドが買われ続けることになりました。
BOEとECB|金融政策スタンスの違い
前回のECB政策金利発表では、市場の予想通りの結果で「25bp利下げ」となりました。
ECBのスタッフ予想になりますが、「GDPは下方修正」で「コアインフレは上方修正」という見方になっています。
経済は悪化しインフレ懸念が出てくる見方ではありますが、ラガルドECB総裁の発言では次回の利下げはデータ次第と、利下げがいつになるか?の手掛かりはほとんど得られなかった状態で終わりました。
前回のBOE政策金利発表では、市場の予想通りの結果で「据え置き」となりました。
さらにMPCは8対1で「500bpの据え置き」を決定として、1人が「25bp利下げ」を支持したということで、「タカ派的な据え置き」という風に捉えられています。
またベイリー総裁は「インフレ圧力が弱まることが利下げ継続の前提だ。あまりに性急な大幅利下げをしないよう注意する必要がある」とのことで、発言内容では「利下げペース鈍化」と捉えられるような内容でした。
ECB(ややハト派)とBOE(タカ派)の金融政策スタンスの違いから、ポンド買いが入っている状態なのでEUR/GBPは下落が続いていると捉えることが可能です。
そして10月の注目度が高いスケジュールが以下になります。
注目度が高い経済指標
<欧州>
- 10月1日(火):欧HICP(消費者物価指数)
- 10月11日(金):独消費者物価指数
- 10月17日(木):ECB政策金利&ラガルドECB総裁発言
- 10月30日(水):独・欧GDP
<英国>
- 10月15日(火):雇用統計
- 10月16日(水):消費者物価指数
- 10月18日(金):小売売上高
10月の政策金利発表はECBだけになるので、前回からどのような動きになるのか特に注目です。
そして英国の動きとしては、十分に買われている状況でもあるので少し一服感が出てくる可能性もあります。
ECBがややタカ派的な路線(またはBOEがややハト派的な路線)に切り替われば、回復の見込みはあるのではないか?と期待しております。
テクニカル分析
- (チャート形状)2016年以降|レンジの下限
- (日足RSI)「売られすぎゾーン」に突入
- (資金管理)下限ライン到達でも含み損は8%程度を想定
2016年以降|レンジ下限
(現在0.83350)日足のレンジの下限付近を推移しておりますが、下限到着まで約80pips程度となっております。
地政学リスク的に、日間のボラティリティが低い通貨ペアです。
そのため、自動売買システムで運用する通貨ペアの一つとして採用をしています。
2016年以降、日足レンジの下限ということでかなり強いサポートラインとなります。
オーバーシュートで一時的に抜けることはあっても、よほどの材料がない限り、この下限ライン(0.8250)を突破することは厳しいのではないか?と現時点では考察しております。
(日足RSI)「売られすぎゾーン」に突入
30を下回るゾーンを推移していることから、一時的な反発の可能性を想定しています。
オレンジ枠の推移とチャートを比較すると、やはり反発傾向があるので期待感はあります。
(資金管理)下限ライン到達でも含み損は8%程度を想定
相場は一直線に上昇・下落をする訳ではなく、上下を繰り返しながら波状に推移します。
その上下の幅を狙って利益を獲得する訳ですが、下限ライン到達でも含み損が大きくなり過ぎないので、相場の回帰性に期待しております。
(複数通貨ペアに資金を振り分けていることで、一通貨ペアに損失リスクが偏り過ぎないような設計)
まとめ
相場が逆行した時の一般的な判断は以下となります。
- 損切り(仕切り直しして利益をまた積み重ねるマインド)
- このまま保有し続ける
- 自動売買システムを停止、裁量による判断
(2024年9月28日時点)
自動売買システムはまだ稼働を実行させ、必要があればトレンドに沿った順張りの戻り売りを検討しています。
*含み損を保有中でも『出金申請』の操作は可能です。(含み損の決済は必要となります。)