FX MARKET REPORT
為替市況レポート
発行:2026年9月5日(土)
対象週:2026年8月31日〜2026年9月4日
USD/JPY
156.251

−2.39%

EUR/USD
1.16144

+0.28%

USOIL(今週の注目)
89.35

+6.07%

今週のポイント
  • 1ドル円は週間で大きく下落した(160円07銭→156円25銭、週間−2.39%)。週半ばにかけて日銀のタカ派傾斜を受けて急落した後、週末の米雇用統計を受けて一部持ち直した。
  • 2急落の主因は、日銀・高田創審議委員が水曜(2日)の講演で「新たな状況への機動的な対応が必要」「結果として連続になることも、一般論としてはあり得る」と述べ、大幅利上げの可能性に言及したこと。市場が9月の日銀会合での大幅利上げを織り込み始めるなか、木曜(3日)には米ウォラーFRB理事のハト派的な発言も重なり、ドル円は一時155円31銭まで下落した。介入を裏付ける財務省・日銀の公式発表は確認できなかった。
  • 3金曜(4日)発表の米8月雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想(+5.5万人)を大幅に上回る+16.2万人となった。失業率は4.1%で横ばい。早期の米利上げ観測が再び強まり、ドル円は156円台まで戻す一方、米国株は反落した。原油はイラン情勢の緊迫化を背景に週を通じて堅調で、週間では6%超上昇した。米国株は木曜急伸・金曜反落で、週間ではまちまちの結果となった。
  • 4来週は木曜(10日)のECB政策金利発表・ラガルド総裁会見と、金曜(11日)の米8月消費者物価指数(CPI)が焦点となる。
SECTION 01市場概況
固定掲載:USD/JPY・EUR/USD|3銘柄目は今週の変動率が最大の銘柄(今週はWTI原油(USOIL))。週レンジ・週R1などの用語は文末の「用語メモ」参照。
USD/JPYドル円
156.251
週レンジ:155.298 – 160.405

USD/JPY 1時間足チャート(直近2週間・週終値/週R1/週S1ライン入り)

今週は大きく下落した。日銀・高田審議委員のタカ派発言(2日)を受けた9月大幅利上げ観測の高まりに、米ウォラーFRB理事のハト派発言(3日)が重なり、一時155円31銭まで下落した。金曜(4日)の米雇用統計が予想を大幅に上回ったことを受けて156円台まで戻す場面もあった(Bloomberg・みんかぶFX・ロイター・共同通信)。週間では下落して終えた。Bloomberg・みんかぶFX・ロイター・共同通信の4社で確認できた材料。

EUR/USDユーロドル
1.16144
週レンジ:1.15666 – 1.16411

EUR/USD 1時間足チャート(直近2週間・週終値/週R1/週S1ライン入り)

今週はおおむね横ばいで推移した。週半ばは米ウォラーFRB理事の発言を受けたドル全面安の流れに沿って上昇する場面があったが、金曜の米雇用統計を受けたドル買いで上げ幅を縮小した(Bloomberg・みんかぶFX)。週間ではわずかに上昇して終えた。Bloomberg・みんかぶFXの2社で確認できた材料。

SECTION 02プロの解説 ― 注目ニュース
今週の相場に影響したヘッドラインを影響度(★)付きで掲載。
日銀・高田委員のタカ派発言で9月大幅利上げ観測が急上昇★★★

日銀の高田創審議委員は2日の講演で「新たな状況への機動的な対応が必要」「結果として(利上げが)連続になることも、一般論としてはあり得る」と述べ、0.25%刻みにこだわらない大幅利上げの可能性に言及した(Bloomberg・みんかぶFX)。みんかぶFXによれば、この発言を受けて一部海外勢が日銀による9月の50bp利上げを織り込み始めたという。3日のNY市場では米ウォラーFRB理事が「インフレ率が2%目標に向けて引き続き改善しているのであれば、政策金利を現行水準に据え置くことを支持する用意がある」と述べたと伝わり、早期の米利上げ観測の後退も重なって、ドル円は一時155円31銭まで下落した(ロイター)。この発言を起点に、3日にはドル円が平常の3倍を超える値幅で動いたため、影響度は★★★とした。Bloomberg・みんかぶFX・ロイターの3社で確認できた材料。

米8月雇用統計、市場予想を大幅に上回る+16.2万人★★★

4日発表の米8月雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想(+5.5万人)を大幅に上回る+16.2万人となった(ザイFX・共同通信)。失業率は4.1%で横ばいだった。共同通信によれば、好調な結果を受けてFRBによる早期の利上げ観測が強まり、ドルを買って円を売る動きが優勢となった一方、11日に米消費者物価指数の発表を控えていることもあり、一方的な展開にはならなかったという。米雇用統計(NFP)に該当するため、影響度は★★★とした。ザイFX・共同通信の2社で確認できた材料。

原油、イラン情勢の緊迫化で週間6%超上昇★★

原油相場はイラン情勢の緊迫化を背景に週を通じて堅調に推移した(共同通信)。共同通信によれば、米国とイランの軍事攻撃再開でホルムズ海峡の封鎖状態が長期化するとの見方から供給不安が強まり、買い注文が優勢だったという。地政学リスクに該当するため、影響度は★★とした。共同通信1社での確認にとどまる材料。

米国株は乱高下、週間ではまちまちの結果に★★

米国株は週半ばと週末で方向が分かれた(共同通信)。共同通信によれば、3日はウォラーFRB理事の発言を受けた早期利上げ観測の後退で投資家心理が改善し、ダウ平均は624ドル16セント高となった。一方4日は雇用統計の好調な結果を受けたFRBの早期利上げ観測の強まりから売り注文が優勢となり、ダウ平均は271ドル86セント安の5万3414ドル25セントで取引を終えた。週間では主要指数の騰落がまちまちとなった。米金融政策を巡る中銀高官発言がきっかけのため、影響度は★★とした。共同通信1社での確認にとどまる材料。

SECTION 03主要な市場データ
FX通貨ペア
銘柄 週終値(金曜NY) 週間騰落
USD/JPY 156.251 −2.39%
EUR/USD 1.16144 +0.28%
GBP/USD 1.35181 −0.11%
AUD/USD 0.72042 +0.65%
USD/CHF 0.81001 +0.11%
USD/CAD 1.38376 −0.51%
EUR/JPY 181.472 −2.11%
株価指数
銘柄 週終値(金曜NY) 週間騰落
US30(NYダウ)※2 53414 −0.09%
US500(S&P500) 7718.6 +0.27%
US100(ナスダック100) 29544.15 +0.49%
商品・金利
銘柄 週終値(金曜NY) 週間騰落
XAU/USD(ゴールド)※4 4430.06 −0.59%
WTI原油(USOIL)※5 89.35 +6.07%
DXY(ドル指数) 99.16 ※3
米10年債利回り 4.784% ※3
VIX(恐怖指数) 14.53 ※3

※ 週間騰落は月曜始値と金曜NY終値の比較(レートフィード算出)。
※2 株価指数は現物指数。MT4/MT5の「US30」「US500」「US100」は現物参照のCFDのため、ほぼ同水準でご覧いただけます。ニュース欄の「ナスダック総合」は本表のナスダック100とは別の指数です(文末の「用語メモ」参照)。
※3 DXY・金利・VIXは週次の変化がフィードに無いため「—」表示。
※4 XAU/USDはスポット(現物)の金価格です。
※5 USOILはWTI期近先物に連動するCFD系列です。ニュースで報じられる「WTI原油先物」は特定限月の清算値であるため、終値・騰落率とも本表とは一致しません。
出典:全数値=自社レートフィード(FXDaily-Levels、2026-09-05 09:01 JST 取得)

SECTION 04来週の重要イベント

来週(9/7〜9/11)の★★★の指標・イベントは次の3件です。

21:159/10(木)欧・ECB政策金利&声明発表★★★
21:459/10(木)欧・ラガルドECB総裁の記者会見★★★
要人発言のため、みんかぶFXの経済指標カレンダー(/indicators)には載りません。同カレンダーが載せるのは指標データのみで、記者会見等はみんかぶFX「本日の予定【発言・イベント】」(当日配信のみ)で確認する運用のため、来週分は現時点で2ソース照合ができません。fxshihyoの単独ソースで掲載します。
21:309/11(金)米・消費者物価指数(CPI)★★★
出典:fxshihyo.com 経済指標カレンダー(主)/みんかぶFX 経済指標カレンダー(照合)
※来週(9/7〜9/11)に発表予定の★★★のみを掲載しています。予想・前回の数値は掲載しません。ラガルドECB総裁の記者会見は、みんかぶFXの経済指標カレンダーには要人発言が掲載されないため、fxshihyoの単独ソースで掲載しています。
SECTION 05来週の注目水準とシナリオ
※本セクションは中立的な水準提示のみです。売買の推奨・指示ではありません。
上値・下値のメドは週足ピボット(算出元週:2026-08-31〜2026-09-04)による目安です。
USD/JPY
156.251
上値メド159.338(週R1)
下値メド154.231(週S1)

今週は日銀のタカ派傾斜とFRB高官発言を受けて大きく下落した。来週は木曜のECB政策金利発表・ラガルド総裁会見、金曜の米CPIが焦点となりそうだ。週足の週R1・週S1が上下のメドとして意識されやすい。

EUR/USD
1.16144
上値メド1.16482(週R1)
下値メド1.15737(週S1)

今週はおおむね横ばいで推移した。来週は木曜のECB政策金利発表・ラガルド総裁会見が最大の焦点となる。週足の週R1・週S1が上下のメドとして意識されやすい。

USOIL
89.35
上値メド92.43(週R1)
下値メド84.8(週S1)

今週はイラン情勢の緊迫化を背景に大きく上昇した。来週も中東情勢の展開次第で振れやすい地合いが続きそうだ。週足の週R1・週S1が上下のメドとして意識されやすい。

用語メモ
ADR20(平均日次レンジ)
過去20営業日の「1日の値幅(高値−安値)」の平均。たとえばADR20が1.10円(110pips)なら、「普段は1日におよそ1.1円動くのが平均的」という目安になる。その日の動きが大きいか小さいかを測る物差しで、損切り幅・利幅の設計にも使われる。
週レンジ
月曜〜金曜の1週間で付けた高値と安値の値幅。ADR20(1日あたりの平均値幅)とは単位が異なるため比較はしていない。1週間を通してどれだけ値が動いたかの目安としてご覧いただきたい。
ナスダック総合とナスダック100の違い
ニュースで「ナスダック」と報じられるのはナスダック総合で、ナスダック市場に上場する約3,000銘柄すべてを対象にした指数。一方、本レポートの表に掲載しているのはナスダック100で、金融を除く時価総額上位100銘柄で構成される。MT4/MT5の「US100」はこちらを参照しているため、お手元の画面と同水準の値になる。別の指数なので、値も変動率も一致しない点にご注意を。
週R1/週S1(週足ピボット水準)
週足の高値・安値・終値から計算される、1週間単位の目安の価格。火〜金の号で使うR1/S1が前日1日分から計算するのに対し、こちらは直近の1週間(月曜〜金曜)をひとまとめにして計算する。そのぶん値幅が広く、来週1週間を通して意識されやすい水準になる。週R1は上側の抵抗、週S1は下側の支持の第1目安。算出元の週はSECTION 05に明記している。
データ・情報の出典
レート・注目水準(週足ピボット)・週高安:自社レートフィード FXDaily-Levels(daily 2026-09-05 09:01 JST取得)/
ニュース・市況:ロイター(news.yahoo.co.jp配信)、Bloomberg(news.yahoo.co.jp配信)、共同通信(news.yahoo.co.jp配信)、みんかぶFX(MINKABU PRESS)、ザイFX(zai.diamond.jp)/
経済指標予定:fxshihyo.com(主)+みんかぶFX(照合)。来週(9/7〜9/11)の★★★のみ

本レポートは情報提供のみを目的としており、特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。掲載情報の正確性には万全を期していますが、その内容を保証するものではなく、投資判断は自己責任でお願いします。ニュースの著作権は各配信元に帰属します。